庭をどう使うかが一番重要です。

「庭」づくりのうえで一番重要なのは、庭で何をするかということです。自然を感じたい、友達を呼んで楽しみたい、子供と遊びたい、・・・どのような使い方をお望みですか?
見栄えのいい庭をつくったものの、「どうも使い勝手が悪い。」「木がジャマだ。」 といったことはよくあります。自然(緑・花・水など)を観賞したりするための庭なのか、園芸を楽しむための庭なのか、家族や友人と集って楽しむための庭なのか、それとも子供のための庭なのか・・・それによって空間構成(木を植える位置、舗装や芝生の面積や形状など)が変わってきます。
自分の「ライフスタイル」にあった庭を考えましょう。     

自分らしさを自由に表現しましょう。既成概念にとらわれる必要はありません。
車好きの方なら、愛車をディスプレイしたジオラマを庭全体で展開してみませんか?
ビーチリゾートタイプをお望みならば、思いきって庭全体を水面にしてみませんか?
まずは、そんな大胆な発想からスタートしてみましょう。考えるだけでも楽しいですよ。

どこで何をするのか。
とりあえずは、敷地の広さや形状とのバランスを考えて「ゾーニング図=空間構成図」を作成してみましょう。


 

 デザインの基本は「バランス」です。

デザインの基本は、庭全体のバランス、家(建物)とのバランスです。
そのためには、庭全体の計画(構想)を描いておくことが大切です。部分的な思いつきでつくってしまうと、庭全体のバランスがバラバラになってしまいます。
      

 家を新築されるなら、一緒に庭を考えましょう。

住居と「庭」を一緒に考えることができれば、屋内と屋外との連続性のある空間形成と、有効な敷地活用が可能です。     

「にわ」の計画を後回しにしておくと、実際に「庭」をつくる時に「あと50cm家がずれていたらなぁ・・・」なんて感じることはよくあります。実際につくるのは後回しでもかまいませんが、可能な限り、「庭」の計画・設計は建物の設計と一緒にやるべきです。
      

 完成後の維持管理(メンテナンス)にも配慮しましょう。

メンテナンスの方法も重要です。
樹木や草花のメンテナンスはどうされますか? 専門家に頼まれますか? ご自身でなさいますか?メンテナンスにあまり手のかからないものをお望みですか?
メンテナンスを軽減する手法はいろいろとありますが、いろんな木や草花などを植えると、それに比例してメンテナンスに手がかかります。エクステリアに関しても、使う材料によって多かれ少なかれ、メンテナンスは必要です。メンテナンスフリーの庭はまずありません。
メンテナンスの考え方によって庭の作り方(空間構成、使用材料など)もおのずと変わってきます。
      


 

 【セルフメイド(ハンドメイド)ガーデンでのポイント・アドバイス】

のんびりやりましょう。

焦らずのんびりやりましょう。義務感でつくっても楽しくありません。「のんびり、楽しく」です。
      

加工の少ないデザインや寸法を考えましょう。

自分でつくる場合に一番嫌になるのが、基礎のための穴掘りと、材料の加工です。経験の少ない人は、とりあえず加工が必要ない(少ない)デザインや寸法を考えましょう。また扱いやすい素材を選びましょう。(一番扱いやすいのは、やはり木材です。)
      

イメージを図面化しましょう。

イメージだけでカッコ良くつくるのは案外難しいものです。つくる前にイメージを図面化して、寸法を抑えておきましょう。図面は、自分が判ればいいですから、ラフなものでも構いません。(材料を無駄にしないためにも大切です。)
      

既製品の多用はやめましょう。

あまり既製品を多用しないことです。
いまは、ホームセンターなどにたくさんのガーデングッズがでまわっていて、素敵な商品もたくさんあります。ただ、その一つ一つの商品が素敵でも、いろんな商品を多用してしまうと、いろんな要素の「もの」が混在してしまうため、とってつけたような印象の庭になってしまいます。
      

 【狭い庭でのポイント・アドバイス】

狭い庭でも快適な空間づくりが可能です。

庭が狭いから、どうしようもないと考えていらっしゃいませんか?たとえ5坪の「にわ」であっても、およそ10畳のお部屋と同じ広さがあります。上手く利用できれば、快適な空間づくりに十分な広さです。     

逆にコンパクトな分、効果的な演出が比較的やりやすいというメリットもあります。
      

大胆にかつ繊細に・・・

狭いからといってこまごましたものをのをいっぱい盛り込んだのでは、逆に狭さを強調してしまいます。狭い所では空間構成をシンプルにして、使う素材(石や樹木など)も大きいものをドンドンといった感じで使いましょう。ただし、シンプルな構成であればあるだけ、その配置や素材の品質(石や樹木の姿)には、こだわって細心の注意を払うことが重要です。
      


 

横のラインを強調しましょう。

デザインは横のラインを強調しましょう。横のラインは空間を広く感じさせる効果があります。
      

周辺の木を庭の一部に取り込みましょう。

隣家の樹木や道路の街路樹などが自宅の庭の近くに植わっていればラッキーです。あたかも自分の庭の樹木に見えるように、その樹木を取り込んだ空間構成を考えましょう。借景として大いに活用しましょう。
      

部屋との一体感を演出しましょう。

庭と隣り合った部屋との統一感、連続性のあるデザインとしましょう。部屋と庭とがつながった、一つの広い空間として考えてみましょう。
      

ライトアップで効果的な演出を図りましょう。

狭ければ狭いだけ、ライトアップなどの演出が容易になります。リビングなどに隣接する庭などでのライトアップがとても効果的です。夜、照明に照らされて、幻想的に浮かび上がった庭を眺めながら、のんびりとくつろぐ時間を楽しんでみませんか。
      

 【予算を抑えるポイント・アドバイス】

アイデア勝負です。

空間の善し悪しはともかく、お金をかけた庭は「豪華」になるのは間違いありません。「心地よい庭」=「豪華な庭」ではありませんが、安い材料で安易に庭をつくると、文字通り「安っぽい」庭になってしまいます。そうならないためには、安いものを安っぽく見せないアイデアが必要です。     

逆にコンパクトな分、効果的な演出が比較的やりやすいというメリットもあります。
      

樹木や草花の有効利用

樹木や草花、芝生などの「緑」は、とてもコストパフォーマンスに優れています。「緑」をうまく生かせば、お金をかけずに素敵な庭がつくれます。ただし、メンテナンスに労力(もしくはお金)が必要ですが・・・。
      

一点豪華主義でいきましょう。

「一点豪華主義」の発想で、庭全体にまべんなくお金を使うよりも、ポイントをしぼってお金をかけた方がメリハリのある引き締まった空間になります。
      

ちょっとしたアクセントに凝ってみましょう。

安い素材をカッコ良く見せるためには、ちょっとしたアクセントをつけるのが有効です。
例えば・・・
コンクリート舗装であれば、自然石のボーダーをつけたり、石を埋め込んだり、目地切りや線形に変化をつけたり・・・
ブロック塀であれば、部分的に生垣にしたり、一部をくりぬいてそこに格子やガラスブロックを埋め込んだり・・・
そういった、いろいろな方法があります。
      


 

 【リフォームのポイント・アドバイス】

全体のリフォーム計画を立てましょう。

使いにくい「庭」や荒れた「庭」は、きちんと計画を立てて、効果的に手を加えましょう。つい「気になる」ところだけに目を向けていると、全体のバランスが悪くなってしまいます。
      

管理(メンテナンス)について、状況を把握しましょう。

リフォームのきっかけが、「荒れ果てた庭」だとすれば、その原因は何ですか。忙しくて庭の手入れができないからだとすれば、状況が変わらない限り、植物を多用した庭をつくると、しばらくはキレイでも、時の経過とともにまた同じように荒れてきます。ご自分のライフスタイルにあった「庭」につくりかえましょう。
      

活かせるものは活かして、壊すものは壊して・・・(あたりまえですが)

今の庭の良い所や素材ををできるだけ活かしましょう。年月がたって苔むした石や大きく育った樹木などは、貴重な財産です。お金を出しても買えるものではありません。上手に活かしたプランを考えましょう。     

そのまま使えるもの、使いまわしのきくものは、大いに活用しましょう。フェンスは作り替える必要があってもフェンスの柱はまだ使えるかもしれません。汚くなったブロック塀も、化粧し直せば、満足できるものに生まれ変わるかもしれません。余った瓦は植栽の縁取りや舗装の材料として活用できます。特に基礎や柱などの構造体は、再利用できれば大きなコストダウンになります。     

上に書いたことと逆説的なアドバイスにはなりますが・・・
今あるものをそのままその場所で活かすということは、今の空間構成は変わらないと言うことです。今の使い勝手に問題があるのなら構成自体を変える必要があります。せっかく改修するのなら、中途半端なことはせず、納得のいかないものは妥協しないことです。何のために改修したのか分からなくなります。本末転倒です。 多少コストがかかったとしても、空間構成を変えたい場合には思い切ってつくり直しましょう。